施工時期により異なる瓦の落下リスク

 瓦は施工時期によって施工方法も変わること、ご存じでしょうか?

 昔は土葺きと呼ばれる、屋根の下地の上に土を乗せ、その上に瓦を乗せる工法が施工されていました。通気性も良く土が雨水を吸い込む為防水の役割もあったようですが、地震や強風があればすぐに落ちてしまう、そんなことも多々ありました。

それから瓦の下地が杉皮に代わり軽量化が図られました。しかしこの時期も瓦はほぼ載せているだけに等しい状態だったのでしょう。ちなみに杉皮のお住まいは今でも存在しますが、下地の強度と充分でない為メンテナンスの方法といえば葺き替え一択となります。

現在の施工方法は【引っ掛け桟工法】です。合板に対し防水紙を葺くことで雨水の浸入を完全ブロックしています。更に瓦を止める為の桟木と呼ばれる木材を等間隔に取り付けていきます。瓦は桟木に引っ掛けながら軒から棟に向かい重ねていきます。

昔は4~6枚に1枚の間隔で釘止めされていることもあったようですが、現在は甚大な被害を発生させる台風や地震が多い為、それに耐えうるための耐久性が求められるようになりました。

防災瓦と呼ばれる瓦は1枚ずつ固定されているのですが、今後はそれが当たり前となるよう国も規定を変える方向のようです。

瓦は1枚だけでも非常に重たく、飛来すれば大きな被害を及ぼします。少しでも近隣への被害を発生させない為にも、日ごろから瓦のメンテナンスを行うようにしていきましょう。